皆さん!毎日夜寝る事で体にどういう影響が出ているか知っていますか?
今回は睡眠をとる事で得られる5つの効果を紹介します。
まず、知っていただきたいのが睡眠の臨床医たちは、「患者に睡眠の知識を説明してから、睡眠の治療に移ると効果があがる」とのべています。
つまり、睡眠は脳とすごく密接な関係にあり、睡眠に対する知識を脳に覚えさすだけでも質の良い睡眠をえられるのです。
「寝る前に携帯のプルーライトを見ないようにするとよく眠れる」や「お風呂から出た90分後に寝るとよく眠れる」という知識を知り、実行すると脳が「これをしたからよく眠れるんだ。」と思い深い睡眠に入りやすくなります。
これを認知行動治療といい、睡眠や精神科でもよく使われている手法です。
今回は睡眠で得られる効果を知ってもらい、少しでも質の良い睡眠をしてもらうとおもっています。
それではみていきましょう。
脳と体に休息をあたえる
まず睡眠の効果で欠かせない一つである休息です。
「睡眠=休息」ではないのですが、大きな役割であることは確かです。
「100%電源オフ」にはならないが、睡眠中の脳と体はまさしく「スリープモード」になっています。
人間の体では、意思とは関係なく自律神経が常にはたらいています。
体温を維持し、心臓を動かし、呼吸し、消化し、ホルモンや代謝を調整してくれるのが自律神経です。
自律神経には活動モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」があります。
日中では交感神経が優位に立ち、血糖値と血圧、脈拍が上がり、筋肉と心臓の動きが活発になり、脳は緊張感と集中力がUPさせます。
ノンレム睡眠中と食後は、副交感神経が優位で、心臓の動きや呼吸がゆるやかになります。食後は胃腸の働きが活発になり、消化と排泄が促されます。
どちらも大切なのですが、仕事をしている方は、交感神経が優位の状態が多すぎてしまいます。常に活動モードを続ければ、体と脳は疲労してしまい、ストレスがたまります。
夜になったらスムーズに副交感神経優位の状態に交代しないと、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなります。
やがて自律神経のバランスが崩れると、体温や腸管の働きなど、根本的な体の機能もすべておかしくなってしまいます。
眠り始めのもっとも深いノンレム睡眠が出現する黄金の90分で、しっかりと副交感神経に転換し、脳と体を休ませることが、最高の睡眠を得られる第一歩です。
睡眠の黄金の90分
記憶を整理して定着させる
2つ目は睡眠をとることで記憶を整理して定着されることができます。
知識が完全に寝ることで統合されるわけではないですが、学習後に睡眠をとることで記憶の定着が進むという知見は多いです。
睡眠と記憶については複数の学者の報告から、次のような概念が提唱されているようです。
- 黄金の90分で訪れる深いノンレム睡眠は、イヤな記憶を消去する
- 入眠初期や明け方の浅いノンレム睡眠では、体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶)が固定させる
つまり、ノンレム睡眠、レム睡眠を数セット繰り返し、時間が経つとともに浅い睡眠に移行する中で、記憶が整理され、定着していくのです。
記憶というとインプットばかりに意識がいきますが、イヤなことや不要なことは忘れることも大切です。
また、最近では、入眠直後のもっとも深いノンレム睡眠のときに、海馬から大脳皮質に情報が移動し、記憶が保存されるという報告もあります。
記憶にとって睡眠は欠かせないものなのです。
ホルモンバランスを調整する
脳はホルモンバランスも制御しており、睡眠時には多くのホルモンが働いています。
ホルモンは生活習慣病とも密接に関わりがあるので、うまく付き合いたいところです。
よい眠りは、生活習慣病の改善にもつながることが研究でわかっています。
たとえば睡眠を制限すると、脂肪細胞から分泌される「食欲を抑制するレプチン」が減少し、胃から分泌される「食欲を増すグレリン」が増えてしまいます。
そのほか、細胞を生まれ変わらせ、身体機能を活発化させる「アミノ酸」などにも変化が生じます。
グロースホルモン(成長ホルモン)は、黄金の90分にもっとも多く出ます。
大人の場合、このホルモンのおかげで筋肉や骨は強くなり、代謝が正常化されます。
皮膚の保水量も睡眠であがるのですが、これは肌の水分が、睡魔と密接につながっている「性ホルモン」や「グロースホルモン」の影響を受けているからです。
免疫力をあげて病気を遠ざける
免疫はホルモンと連動しており、催眠との関係も深いです。
睡眠が不適切になると、ホルモンバランスが崩れ、免疫の働きもおかしくなります。
風邪やインフルエンザ、がんなどの免疫に関係する病気になる可能性が高くなってしまいます。
睡眠には休息という役割も大きいので、「風邪は寝て治す」というのは免疫力向上と休息の面で理にかなっています。
実際、インフルエンザの予防接種でワクチンを取り入れても、睡眠が乱れていると免疫が確立せず、ワクチン接種の効果が認められないという報告もあるほどです。
また睡眠時の免疫増強がきちんと働いていないと、アレルギーが悪化する危険もあります。
脳の老廃物をとる
脳は直接、頭蓋骨に収まっているわけではありません。
「脳脊髄液」という保護液につかっているので、転んで頭を打っても、脳が骨に直接ぶつかって傷つかずにすむのです。
小さな「脳のプール」ともいえる脳脊髄液はおよそ150cc。1日4回、600ccほど入れ替わっています。
新しい脳脊髄液が出て、古いものが排出されるとき、脳の廃棄物も一緒に除去されます。
脳の廃棄物自体は、神経細胞が活発である覚醒時にたまります。
日中の覚醒時にも「たまった老廃物除去」はおこなわれていのですが、それだけでは追いつかないのです。
また脳の廃棄物がきちんと排出されないとアルツハイマーになるリスクも高まるという研究もあります。
なのだ就寝時にまとまったメンテナンスが、脳からしても必要なのです。
睡眠の効果を知って健康になろう
今回は睡眠で得られる5つの効果を紹介しました。
最後にまとめます。
- 正しい睡眠は正しい睡眠の知識を知ることによってより実現させることができる。
- 睡眠は脳と体に休息を与えてくれる。交感神経と副交感神経のスムーズな切り替えが最高の睡眠にとても必要
- 睡眠は記憶を整理して定着してくれる。定着してくれるのはもちろんイヤな記憶や不要な記憶も消してもくれる
- 睡眠はホルモンバランスを調整してくれて生活習慣病を改善してくれて、皮膚の保水量も増やしてくれる
- 睡眠は免疫力を高め、風邪、インフルエンザ、ガンを予防してくれる
- 睡眠はほっておくとアルツハイマーになりうる脳の廃棄物を排出してくれる
です。
始めにも述べたとおり知識を知っているだけで睡眠の効果が増してくれます。
流し読みでもいいので、睡眠にはこういう効果があると知っているだけで日々の睡眠の質があがります。
よかったら覚えてみてください。
次回は睡眠障害が命を落としてしまうを紹介します。次回もお楽しみに!