最近眠れていますか?今までの睡眠の記事では、夜しっかり眠るために寝る前の準備を主に紹介してきました。
寝る前の準備は大切なのですが、それと同じように日中どう生活するかも大切になってきます。
日中の過ごし方で夜の眠りが質の良い睡眠になるか変わってきます。
つまり、朝起きてから眠るまでの行動習慣が最高の睡眠をつくり出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスをつくり出すのです。
そこで今回は日中の過ごし方を10選紹介します。それではみていきましょう。
- アラームは2つの時間でセットする
- 眠りへの誘導物質を断捨離する
- 裸足朝活で覚醒ステージを上げる
- ハンドウォッシュメソッドで目を覚ます
- とにかく汗だくを避ける
- カフェインを上手いこと使う
- 大事なことをする時間を変える
- 夕食抜き生活が眠りに響く
- 夜の冷やしトマトで睡眠力アップ
- 金の眠りになる酒を飲む
- 日中の生活を意識して健康になろう!
アラームは2つの時間でセットする
まず一つ目は、起きる時にアラームを2つの時間でセットするというものです。
手順はシンプルで、仮に7時に絶対起きなくてはいけないとしたら、6時40分と7時の2つの時間にアラームをセットします。
朝方であれば、レム睡眠の時間は長くなっているので、20分前後で「ノンレム睡眠→レム睡眠」の切り替えがおこなわれています。
実行するうえで、1回目のアラームは「ごく微音で、短くて」セットしましょう。
というのもレム睡眠は覚醒しやすいので、小さい物音でも目覚めやすいです。小さい音でアラームに気付ければ「レム睡眠で起きれた!」
ということなので、目覚めが良くなります。
1回目のタイミングで起きることができなくてもかまいません。なぜならこのとき目覚めなければ「ノンレム睡眠」で深い眠りの真っ最中ということだからです。
音を大きくしてノンレム睡眠で起きてしまうと、目覚めが悪くなります。
朝の5〜7時の間はレム睡眠とノンレム睡眠の切り替えが20分周期なので2回目のアラームで無理なく起きれることになります。
眠りへの誘導物質を断捨離する
目覚めることができたら自然に体温は上がっていくのですが、すぐに行動することでさらに体温のスイッチがしっかりオンになります。
ただし、血圧が高めな人は血圧の急上昇を押さえるために目が覚めてすぐに起き上がるのは避けた方がいいようです。その場合はゆっくりとベッドから出るようにしましょう。
そしてベッドから出たら天気にかかわらず朝の光を浴びましょう。
これは目覚めを良くする為に何があっても欠かしたくない行動習慣です。
それは、「体内リズムを整え、眠りを推進させる」メラトニンという物質があります。この物質は良い睡眠をする上で欠かせないものなのですが、目覚める段階では、分泌を抑えなければなりません。
このメラトニンの分泌を抑制してくれるのに大きく貢献するのが「太陽の光」になります。
目覚めたら太陽を積極的に浴びるようにしましょう。
裸足朝活で覚醒ステージを上げる
太陽の光を浴びたらスリッパは履かずに裸足のままでいましょう。
その理由は
- 床にじかに触れることで皮膚感覚が刺激され、目覚めが良くなる。
- 裸足になることによって皮膚温度を下げて、サーカディアンリズムで自然に上がっている深部体温と皮膚温度の差をさらに広げる。
深部体温と皮膚温度が縮まると人は眠くなります。それを逆手にとるのです。
とくに冬場は床が冷たいのでこの「冷たい床」が覚醒のスイッチになってくれます。
ハンドウォッシュメソッドで目を覚ます
裸足で目を覚ましたら次は、冷たい水で手を洗います。
朝は深部体温が上がっている状態なので、手を水につけることで、深部体温と皮膚温度の差を少しでも広げるのが狙いです。
さらにおすすめなのが、朝シャワーです。
脳のスイッチがオンになりやすく、爽快感も味わうことができて、気分も引き締まります。
仕事に行くモチベーションをあげるのにも有効なので時間がある人はシャワーを浴びましょう。
とにかく汗だくを避ける
朝ジョギングをする習慣は今や世界的なものです。
走るなら、夜より朝の方がいいです。走ったり運動したりすると交感神経優位になるので、朝走れば、活動モードに切り替えることができます。
しかし、疲労するまで運動してすると肝心の仕事のパフォーマンスが落ちてしまうし、ヘビーな運動は筋肉痛や関節痛を引き起こし、体や細胞を傷つける場合があります。
なにより問題なのは体温が上がりすぎることです。
運動で体温が上がるのは活動モードに切り替えるという意味ではいいのですが、体温は上がりすぎると発汗による熱放散が起きて元の体温がより下がります。
これは眠気がやってくるサインです。
夜しっかり寝て、朝スッキリ起きて、せっかく体温のリズムを合わせたのに、激しいジョギングで台無しになります。
なので体のことを考えれば、早足のウォーキングのほうがオススメです。
少なくとも、汗だくになるような運動だけは避けましょう。
カフェインを上手いこと使う
適量のコーヒーの摂取は体にもいいとされ、健康な成人の2型糖尿病、肝臓がん、子宮内膜がんのリスクを減らすというエビデンスも報告されています。
カフェインは睡眠に影響を及ぼします。
血中のカフェイン濃度は半分になるまで約4時間かかります。
そのため就寝1時間前と3時間前にコーヒーを一杯ずつ飲むと、10分ほど寝つくまでの時間が長くなり、30分程度睡眠時間が短くなるという報告があります。
夜遅くのコーヒーは避けるようにしましょう。
もし飲みたくなったらカフェインが入っていない「デカフェ」がおすすめです。
日中のパフォーマンスを上げ、覚醒のスイッチを押すという意味で、仕事をしている方はコーヒーのテイクアウトがおすすめです。
カフェインは基礎代謝をあげ、覚醒モードに身体を切り替える力があります。
さらに、ほかの刺激と同時におこなえば、相乗効果が期待できます。
「会話」という感覚刺激を加えることによってより覚醒がスムーズに切り替わります。
店の人にオーダーしたり、会社の人と雑談することで相乗効果が得られるのです。
カフェインは眠気や疲れ、覚醒時間に応じて蓄積する睡眠圧にも対抗するので、昼食後や午後に効果を発揮してくれるので積極的にとりましょう。
コーヒーの記事
大事なことをする時間を変える
仕事での重要なタスクや意思決定、将来のための勉強などは朝にやるようにしましょう。
朝の時間は仕事の電話など周りから邪魔されることなく、取り組みやすいです。
起きた後の頭ははっきりしたいて仕事効率もよくなります。
それに夜にあまり難しいことを考えてしまうと脳を働かせることになり、睡眠の質を悪くしてしまいます。
なるべく重要な仕事は朝にやるようにしましょう。
夕食抜き生活が眠りに響く
覚醒物質「オレキシン」は、脳の視床下部と呼ばれるところの細胞から放出されます。
絶食するとオレキシンの分泌が促進されますが、食事をすればオレキシンの活動は低下し、覚醒度も落ち着くことがわかっています。
オレキシンは食欲を左右すると同時に、覚醒に強い影響を与えます。
夕食を食べないとオレキシンの分泌が促進され、食欲が増大するうえに、覚醒して眠れなくなる可能性が高くなります。
さらに、オレキシンは、交感神経の活発化や体温上昇も引き起こします。
つまり、「夕食を抜いたらオレキシンが増えて、食欲が増すし、眠れない」だけの問題でなくなるのです。
自律神経が乱れ、あらゆる不調に「付け入るスキ」を見せることになります。
夕食抜きは、眠りと健康にとってまさに「百害あって一利なし」なのです。
夕食をのる場合は、どんなに遅くても眠る1時間前までを目安にしましょう。
揚げ物など消化に時間がかかるものはさらに余裕をもち、あるいは夕食には避けたほうがいいかもしれません。
夜の冷やしトマトで睡眠力アップ
夜ぐっすり眠るために深部体温を下げる食品を夕食に取り入れるのもいいでしょう。
身近なところでいえば「冷やしトマト」。体を冷やす性質があるトマトをさらに冷やして食べれば体温は下がります。
しかし、偏った食事をするのは睡眠にも体にも悪いことです。
野菜や肉、炭水化物などをバランス良く食べるようにしましょう。
それが体の修復機能も高めて質の良い睡眠につながるのです。
金の眠りになる酒を飲む
鎮静型の睡眠薬の多くは「ギャバ(GABA)」という脳内物質の働き方を強める作用があります。
ギャバは抑制系の神経伝達物質のアミノ酸で、脳内に広く分布しています。
睡眠薬はギャバの働きを強めることによって睡眠導入効果や睡眠維持効果を施します。
ただし、ギャバには抗不安や抗痙攣、筋弛緩などの作用があり、睡眠薬を飲むと意識混濁が引き起こされることもあります。
また、脱力やふらつきによる転倒や骨折も問題もギャバ系の睡眠薬の副作用になります。
古いタイプの薬で、ギャバの作用を強める睡眠薬に「バルビツレート」というものがあります。
もともと麻酔薬で呼吸抑制の作用があるため、一時期はこれで自殺する人が続出しました。芥川龍之介が35歳で大量な服用して自殺したのが有名です。
お酒もギャバに影響を与え、バルビツレートと非常によく似た働きを示します。
お酒には入眠作用があり、リラックス効果も望めますが、たくさん飲むとやはり呼吸抑制の作用が出てきます。
お酒は、睡眠薬と同じくらい強く、使いようによっては危険性があると認識してください。
適量を超えたアルコールはレム睡眠を阻害し、深いノンレム睡眠も出現しなくなります。
お酒を飲みすぎると睡眠で一番大切な寝始めの黄金の90分が望めず、眠りの質は悪くなり、翌朝はスッキリしません。
二日酔いになれば相乗効果で翌日のパフォーマンスも悪くなります。
良質な睡眠のためには、お酒の量は少なくしましょう。睡眠導入剤の成分があるから、少量であれば寝つきも良くなりますし、睡眠の質をさげません。
ここでいう量はアルコール度数を指し、目安には体重にもよりますが、日本酒換算で1〜1.5合です。
1合程度なら、寝る100分前に飲むと寝つきが良くなり、翌日のコンディションも妨げられません。
また2〜3合飲む場合は、アルコールが分解されるのに通常3時間かかるので、寝る2〜3時間前までに飲酒を済ませておきましょう。
寝る前の一口飲む「ナイトキャップ」もオススメです。この場合はアルコール度数の高いものにしましょう。
日中の生活を意識して健康になろう!
今回は良質な睡眠にする為の日中の過ごし方13選を紹介しました。
最後にまとめます。
- 目覚めたら始めに太陽の光を浴びる。浴びることで睡眠を促す物質を抑制してくれる。
- 起きたらスリッパは履かずに裸足の状態になることで冷たい床が覚醒のスイッチを押してくれる
- 起きてから冷たい水で手を洗うことで深部体温と皮膚温度の差が広がるので、目が覚める。朝シャワーもおすすめ
- 朝の激しい運動は眠気を誘ってしまうので避けましょう。運動するなら早足のウォーキングがおすすめ
- カフェインをとるならテイクアウトのコーヒーを買って飲もう。カフェインの効果で会話をするという感覚刺激が目を覚ましてくれる
- 朝の時間は大切なタスクをやろう。夜に考えるようなことをしてしまうと睡眠の下が悪くなってしまう
- 夕食抜きは避けましょう。夕食を抜いてしまうと睡眠の質だけではなく、自律神経が乱れて体の不調を招いてしまう
- 冷やしトマトを食べると体温が下がりやすくなり、すんなり眠れる。しかし偏った食事は体は良くない。バランスの良い食事が体の修復機能を高めて質の良い睡眠にしてくれる
- お酒の飲み過ぎは睡眠の質を悪くしてしまう。お酒を飲むなら1〜1.5合を目安に寝る1時間前にとるようにしよう
です。
日中の過ごし方が良い睡眠になるか悪い睡眠になるか決めてしまいます。その行動パターンが人生を決めてしまうといっても過言ではないです。
良い習慣を身につけて満足できる人生を手に入れましょう。