最近の研究では、人間関係が良くなることが人を最も幸せにしてくれるようです。
私はどちらかというと外交的なタイプではないので、人付き合いは苦手なほうです。
これを知ったとき一人で生きていきたい自分は「まじかー!」と嘆きました笑
研究では心を許せる友人や家族がいるだけで幸福感が増し体の炎症やメンタルの安定、集中力の増加などさまざまな恩恵が得られます。
しかし、注意していただきたいのが友達が多ければ良いというわけではなく、親友と呼べる友達が一人でもいればその恩恵を手に入れることができることです。
それなら「人付き合いが苦手な私でもできるかも」とおもい、アウトプットの意味を込めて今回は大切な人とより仲良くなるための方法を科学的な知見から紹介したいとおもいます。
それではみていきましょう。
人間の脳は元々人間関係を作るのが苦手
世の中には、多くの「コミュニケーション術」が存在します。
「上手に相づちを打つのが大事」「話し上手よりも聞き上手」「雑談を大切」など、これだけのアドバイスが世にあふれているということは、多くの現代人が人間関係に困っている事実を示しています。
「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」と心理学者のアドラー氏はいいました。
なぜ私たちは他人とのコミュニケーションに悩まされるのでしょうか?
それは、もともと私たちの脳が、見知らぬ他人とうまく人間関係を作れるように設計されていないからです。
人類は数百年万年から小さな集団のなかだけで生きてきました。
まったくの他人と交流することは滅多になく、周囲には家族か顔見知りしか存在しません。
このような状況で必要なのは、内側に向けた対人スキルだけです。
家族や友人のように自分の好意を持っている相手との仲さえ深めれば良く、それ以外のコミュニケーションは基本的に不要です。
つまり、私たちの頭には、そもそも外向きのコミュニケーション回路が備わっていません。
いっぽう人口の流動性が高まった現代では、外部との交流は日常的なことです。
仕事場で毎日のように初対面の相手と会話したり、知らない人だらけの飲み会に参加したりと、誰もが外側のコミュニティに出ていくことを余儀なくされます。
それなのに、私たちの頭には外向きのコミュニケーション回路が内蔵されていないため、本来は内向き用に作られたスキルセットだけで赤の他人と付き合っていかねばならないのです。
これが現代人を苦しめる遺伝のミスマッチです。
がいくら不得意だからといって人間関係があなたのパフォーマンスを下げてしまうのも事実。
現代に生きる私たちは、生まれ持った内向きのスキルセットを活かしつつ、コミュニケーションの問題に立ち向かう必要があります。
それでは親密な人間関係を築くにはどうしたらいいのでしょうか?
それは親密な人間関係を築くために本当に意識することは「時間」「同期」「互恵」の3つになります。
次から詳しくみていきましょう。
人間関係を良くしてくれる接触時間
第一に重要な要素が「時間」です。
アイオワ州立大学のダニエル・フルシュカ氏は、2010年のレビュー論文で「良好な友人関係を保つためには何が必要か?」を調べ上げました。
個人の性格やコミュニケーションスキル、社会的地位など、人間関係に欠かせない要素の中から、重要度の低いものを取り除いていったのです。
結果、最後は残ったのは「一緒に過ごす時間の長さ」でした。
「近接の原理」というものがあります。
50年以上前に社会心理学者のセオドア・ニューコム氏が発見した現象で、簡単に言えば「人間は近くに住む相手ほど好意を抱きやすい」というものです。
隣県の人よりも隣町の人を、隣町の人よりも隣に住む人を、私たちは好ましいと思う傾向があります。
その理由は簡単で、近くに住む人ほど接触の時間が増えるからです。
心理学者のロバート・ボーンスタイン氏によるメタ分析では、「特別な刺激がなくても他者と接触する時間を増やすだけで好意は増す」と結論づけています。
つまり、親密な会話を交わしたり、一緒にイベントに参加したりせずとも、シンプルに相手の顔を見る回数が増えただけでも2人の仲は自動的に深まっていくわけです。
私たちの脳は、相手の顔になじみさえあれば、反射的に警戒心を解くように進化してきました。
よく知った顔を見るだけでも感情の「脅威システム」はオフになり、代わりに「満足システム」が起動するのです。
人間関係に悩む人にとって、これほどシンプルな解決策はないでしょう。
もしあなたが内向的で人見知りだったとしても、コミュニケーションに自信がなかったとしても、接触の時間さえ増やせば相手の好意は得られるのですから。
また分析によれば、この効果の影響が最大になるのは接触回数は10〜20回とのこと。
このレベルを達成するまでは、まずは淡々と接触を積みかねていきましょう。
人間関係をよくする同期行動
次は同期行動をするです。
同期行動とは他人と同じ行動を行うことで集団の結束が深まることです。
2016年のオックスフォード大学が「趣味で人間は幸せになれるか?」という問題について調査しました。
被験者は40代の男女が135人で、研究チームは実験のために「中年向けの習い事コース」を創設し、すべての被験者を「合唱クラス」「美術クラス」「創作文芸クラス」のいずれかに割り振りました。
7ヶ月後、クラスを終えた被験者を調べたところ、おもしろい結果が得られました。
すべてのグループにおいて、人生の満足度、じぶんに対する肯定感の上昇、炎症レベルの低下といった変化が確認されましたが、なかでも「合唱クラス」に参加した人の改善値が飛び抜けて高かったのです。
研究チームは次のようにいっています。
「合唱クラスの成績が良かったのは、ほかの活動よりも他者との関係性を結びやすかったからだろう。みんなで歌うという行為が、他のグループよりも全体感を高めてくれたのだ」
私たちは人と同じ事を一緒にすることで親密さを高めてくれます。
この同期行動を生かすポイントが2つあります。
- 全員が近い場所で行うこと
- 同じタイミングで同じ行動をすること
この2つの条件が合えば、同期行動の内容はなんでも構いません。
ウォーキングやマラソン、ジムでエクササイズ
、格闘技でも効果を得られます。
仲良くしたい人と何か一緒に始めてみるのもいいかもしれません。
炎症の記事はこちら
人間関係を良くする互恵
次は「互恵」です。
なかなか聞き慣れない言葉ですが、互恵というのは「好きな相手に利益をあたえること」です。
そして私たちが他者に与えられる最強のプレゼントは「信頼」です。
この人は絶対に裏切らないと感じれば、そこには必ず強固な同盟関係が生まれます。
信頼を得るためにはこちらから相手に好意を伝えるのが第一です。
心理学で重視されている「セルフディスクロージャー」というものがあります。
これは自分の悩みや秘密を隠さずに打ち明けるという行為です。
打ち明けることで「私はあなたのことを信頼してしているからここまで話せるのだ」というシグナルとして働いてくれます。
そこで社会心理学のゲイリー・ウッド氏が「セルフディスクロージャー」を効果的に行うための話題を10種類まとめたものがあるので紹介します。
- お金と健康に関する心配事
- 自分がイライラしてしまうこと
- 人生で幸福になれること、楽しいこと
- 自分が改善したいこと(体型、性格、なんらかのスキルなど)
- 自分の夢や目標、野望など
- 自分の性生活に関すること
- 自分の弱点やマイナス面
- 自分が怒ってしまう出来事について
- 自分の趣味や興味
- 恥ずかしかった体験、罪悪感を覚えた体験
これらの話題は、相手の「友達ランキング」を上げる効果をもっています。
より仲良くなりたい相手に好きな話題を振っていくといいとおもいます。
人間関係を良くして健康になろう
今回は人間関係が人を最も幸せにしてくれるを紹介しました。
最後にまとめます。
- 一人でも心を許せる人がいれば私たちのパフォーマンスは向上する
- 人間は元々他人とうまく人間関係を作れるようにできていない。知らない人とうまく喋れないのは当たり前。
- 仲良くなるには接触時間が長ければ長いほど親密になる
- 仲良くなりたい人達と同じ事を近くでそして同じタイミングでやることで親密になれる。この条件にあえばなにをやっても良い。
- 親密な関係になるには相手に利益を与える事。そして一番のプレゼントは信頼。セルフディスクロージャーを使って信頼関係を強化しよう
です。私たちの悩みの大半は人間関係と言われています。でも人間関係が私たちをより良くしてくれることも確かです。
大切な仲間を見つけて良い人生にしていきましょう。
次回は環境が人をかえるを紹介します。次回もお楽しみに!