今回は不安をなくすマインドフルネスを紹介します。
「ん?マインドフルネスってなんや?」
マインドフルネスとは
1970年代にマサチューセッツ大学のジョン・カバット氏が提案したアイデアで、従来の心理療法に曹洞宗で行われる坐禅の要素を組み込み、仏教でいう「念」の概念を「マインドフルネス」と訳したものをいいます。
これでも「うん!わからん!」と思うかもしれませんが要は一つのことに集中している状況といえます。
最近TVなどで特集される瞑想もマインドフルネスにはいります。
ただここでいうマインドフルネスは「瞑想をしよう!」ということではなく、常にマインドフルネスの考え方で生活をすれば不安をなくすことができるということです。
そこで今回はマインドフルネスの感覚を掴むための手法を紹介します。
- マインドフルネスを身につけるためのタイガータスク
- 家事がマインドフルネスのトレーニングになる
- 食事をマインドフルに食べるマインドフルイーティング
- エクササイズがマインドフルネスを鍛える
- マインドフルネスで健康を手に入れよう
マインドフルネスを身につけるためのタイガータスク
まずは、タイガータスクです。タイガーマスクではありません・・・。笑
タイガータスクを行うことでマインドフルネスの感覚を身につけることができます。
やり方としては
1.目の前に大きな虎のイメージを浮かべる
2.虎のイメージを変化させようとせず、ただ観察する
という認知行動療法の自己観察の手法です。
このタスクのポイントは、意識して虎を動かしたり角度を変えたりしないことです。
実際に試してみるとイメージをただ見つめているうちに、勝手に虎がそのへんをうろつき始め、やがて消え失せていきます。
少しも動かない場合もあります。
慣れないうちは、虎の頭をなでたくなったり、かわいい鳴き声を出させてみたりと、さまざまなコントロールをしたくなってしまいます。
しかし、ここはグッと我慢。
目の前の虎をただ観察することが最大のポイントです。
何度か繰り返すうちに、「勝手に動き出すイメージを見つめる感覚」が掴めるようになります。
これがマインドフルネスの感覚と同じものです。
このタスクの「虎」は、あなたの心に生まれる恐怖や不安の象徴です。
もし今後の暮らしで自分のなかにネガティブな思考や感情が生まれたら「タイガータスク」で虎を見つめたときの感覚を思い出してください。
すると、あなたの感情や思考は虎と同じように勝手に目の前を動き回り、それ以上なにもしません。
さらに観察を続ければ、ネガティブな感情と思考は勝手な消えていくでしょう。
この時点で、あなたはネガティブの波によってダメージを受けずに済んだことになります。
これがマインドフルネスを現実に活かす基本です。
この基本の「自己観察」の感覚を掴むことができると、日常のあらゆる状況がマインドフルネスのトレーニング場にすることができます。
家事がマインドフルネスのトレーニングになる
私たちに一番馴染みがあるトレーニング方法は皿洗いや掃除などの家事です。
家事がマインドフルネスのトレーニングに最適なのです。
皿洗いをする際、水の温度や洗剤の泡の感覚に意識を向けながら皿洗いを6分間する。
という実験が行われ、内面に大きな変化が起こりました。
不安や神経症のレベルが27%下がり、逆な新しいアイデアを思いつく確率が25%も上がったのです。
禅の世界では「一掃除二信心」というほど家事を重視します。
その正当性が、少しずつ科学でも裏付けられ始めているようです。
雑巾がけ、歯磨き、炊事、洗濯など、すべての家事をマインドフルネスのトレーニングにしてみましょう。
あなたの不安は確実に減っていきます。
食事をマインドフルに食べるマインドフルイーティング
いつも私たちがする食事をマインドフルネスに行うことで、不安が減っていきます。
食事をしながらのTVやスマホをやめて、口に入れたご飯やお肉、飲み物を味わう作業だけに集中すれば、瞑想と同じ行為となります。
この手法はACTやメタ認知療法などで実際に不安障害の治療に使われるほど効果が高く、一般に「マインドフルイーティング」と呼ばれています。
やり方としては、
1.5分間の間触覚、視覚、嗅覚を使って食品を確認します。
2.そして食品の見た目や香りが自分の中でどのような変化を起こしているか観察します。この作業を5分間。
3.次にようやく食品を口に入れます。その際あわてて食品を噛まずに舌の上で転がし触感を調べ、続いて再び自分の感覚にどんな変化が起きたかを観察します。目を閉じて口のなかの感覚だけに意識を向けるとやりやすいです。
4.最後に食品を噛んで飲み込みます。この段階では、食品の味わいは当然のこと、歯や喉の感覚の変化も観察し続けます。
すべてのステップが終わるまで、だいたい10〜15分かかります。
「食べるのにそんなに時間かけれない!」と普通に思うでしょう。
これは臨床現場で行われる正式な作法なので、たんに「ながら食い」をやめて、いつもよりゆっくり味わいながら食べるだけでもマインドフルネスの感覚は成長します。
食事をゆっくり楽しんでみてください。
エクササイズがマインドフルネスを鍛える
最後にマインドフルネスを鍛えるのにエクササイズがあります。
エクササイズは、呼吸のペースや心拍数、体温などに影響をあたえます。
この変化が自分の体に意識を向けさせ、マインドフルネスを高めることができます。
運動によって起きた生理的な変化のおかげで、自動的に自分の身体を観察する態度が生まれるというわけです。
運動でマインドフルネスを身につけるポイントは自然と自分の動きに意識が向くようなレベルの運動を20〜30分にわたってキープすることです。
軽く息が上がって、他人と会話ができないぐらいの負荷を保つのが理想です。
この条件さえ満たせればどんなエクササイズでも構いません。
時速6〜8キロぐらいのランニングからが始めやすいとおもいます。
マインドフルネスで健康を手に入れよう
今回は不安をなくす自分を見つめるマインドフルネスを紹介しました。
最後にまとめます。
- 日々の生活にマインドフルネスを取りいれれば不安は解消される
- タイガータスクでマインドフルネスの感覚を身につけることができる
- いつも行う家事でマインドフルネスをトレーニングできる。
- 食事をゆっくり行うだけで瞑想と同じ効果が得られる
- 20〜30分のエクササイズでもマインドフルネスは鍛えられる
です。
一番大切なのは、あなたの脳に備わったマインドフルネスの機能を自在に起動できるようにするということです。
ふと自分の未来が不安になった瞬間や、感情の波に飲み込まれそうになった瞬間などに、すぐに自分自身を「観察者」モードに切り替えましょう。
仕事で腹立だしいことがあった時は第三者的に見つめると怒りが落ち着き正しい判断をすることができます。
感情に振り回されてしまうという方は一度試してください。
次回は人生を遊びと考える思考法を紹介します。次回もお楽しみに!